糖尿病と高血圧
余病を引き起こす糖尿病と高血圧症
糖尿病と高血圧は、様々な余病を引き起こす生活習慣病として認知されています。高血圧の患者数は国内で約4,300万人といわれ、糖尿病も、予備軍を含めると患者数2,050万人に上る病気です。そして、糖尿病の人は血圧が高くなりやすく、40〜60パーセントが高血圧をあわせもっています。
糖尿病も高血圧も、どちらも症状のないまま進行し、さまざまな合併症を引き起こします。直接死につながる可能性があり、日本人の死因の上位を占める脳卒中や心筋梗塞などの怖い病気も、糖尿病や高血圧が互いに影響しあって動脈硬化が進行した結果、発症するケースも多々あります。
高血圧により、糖尿病性腎症が急速に進んでしまいます。糖尿病の人は、血圧がそれほど高くない軽い高血圧でも、積極的な治療が肝要と言えます。
糖尿病について
糖尿病とは
糖尿病は、インスリンが十分に働かないために、血液中を流れるブドウ糖という糖(血糖)が増えてしまう病気です。インスリンは膵臓から出るホルモンであり、血糖を一定の範囲におさめる働きを担っています。
血糖の濃度(血糖値)が何年間も高いままで放置されると、血管が傷つき、将来的に心臓病や、失明、腎不全、足の切断といった、より重い病気(糖尿病の慢性合併症)につながります。また、著しく高い血糖は、それだけで昏睡などをおこすことがあります。
糖尿病の種類と症状
糖尿病は、その成りたちによっていくつかの種類に分類されますが大きく分けると、「1型糖尿病」「2型糖尿病」「その他の特定の機序、疾患によるもの」そして「妊娠糖尿病」があります。
1型糖尿病
1型糖尿病では、膵臓からインスリンがほとんど出なくなるため、血糖値が高くなります。生きていくために、注射でインスリンを補う治療が必須となります。この状態を、インスリン依存状態といいます。
発症年齢 | 若い人に多い |
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症状 | 急激に症状が出て、糖尿病になることが多い |
体型 | 痩せ型の人が多い |
原因 | 膵臓でインスリンを作るβ細胞という細胞が壊れてしまう為、インスリンが膵臓からほとんど出なくなり、血糖値が高くなる |
治療 | インスリンの注射 |
2型糖尿病
2型糖尿病は、インスリンが出にくくなったり、インスリンが効きにくくなったりすることによって血糖値が高くなります。2型糖尿病となる原因は、遺伝的な影響に加えて、食べ過ぎ、運動不足、肥満などの環境的な影響があるといわれています。
発症年齢 | 中高年に多い |
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症状 | 症状が出ないこともあり、気がつかないうちに進行する |
体型 | 肥満の方が多いが、痩せ型の人もいる |
原因 | 生活習慣や遺伝的な影響により、インスリンが出にくくなったり、インスリンが聞きにくくなったりして血糖値が高くなる |
治療 | 食事療法・運動療法、飲み薬、場合によってはインスリンなどの注射を使う |
高血圧症について
高血圧とは
血圧とは、血液が流れる際に血管の内側にかかる圧力のことです。血圧が上がる直接的な理由はふたつあります。ひとつは血管が硬くなり広がりにくくなること、もうひとつは体内を循環している血液の量が多くなり過ぎることです。
高血圧について
収縮期血圧(心臓が収縮して血液を送り出したときの血圧。最高血圧)が140mmHg以上、または拡張期血圧(心臓が拡張したときの血圧。最低血圧)が90mmHg以上のときに、高血圧と診断されます。
高血圧の原因
患者さんの9割以上は、原因を特定することができない「本態性高血圧症」です。塩分の多い食習慣、肥満、ホルモン分泌の異常、遺伝的素因など、さまざまな要因が考えられます。これとは別に、血圧を上げるほかの病気があるために高血圧になる「二次性高血圧症」もあります。
高血圧の症状
軽症の高血圧は、全く症状がありません。中等症以上になると、頭痛や動悸、めまい、肩凝り、手足のしびれなどが現れることもあります。
高血圧の合併症
高血圧を放置すると、脳卒中、心臓病、腎疾患、網膜症など、さまざまな合併症が起きてきます。これは、高血圧状態が血管の壁を傷付け、動脈硬化を進行させることと深く関係しています。
注意点
高血圧は糖尿病と同じで自覚症状に乏しいため、血圧が高いと指摘されても、つい放置してしまいがちです。しかし、定期的な検査を受け適切な治療を継続しないと、恐ろしい合併症が進行してしまいます。
治療方法について
糖尿病と高血圧の治療方針
高血圧症・糖尿病は共に生活習慣病と言われております。生活習慣病を厚生労働省は「食習慣・運動習慣・休養、喫煙、飲酒などの生活習慣がその発症・進行に関与する疾患群」と定義しております。
したがって、生活習慣病である高血圧症・糖尿病の治療法は、生活習慣の改善になります。改善点は、症状により様々ですが、多くは3つの療法にて進めます。
食習慣の改善(食事療法)
身体に取り込まれる、糖や塩分の量、エネルギーや栄養のバランスを調整する治療が食事療法です。当院では、検査などで定期的に状態を把握し、ご指導いたします。
運動習慣による改善(運動療法)
運動不足になると、体のエネルギーや栄養が余った状態となり、肥満や血流不良など様々な体の不調に繋がります。運動を始めると、運動により糖が使われます。また筋肉量が増える中で、糖を身体に取り込みやすくいたします。
また、体内の脂肪を減らすことで血液の良好な循環や血糖値を下げやすい体内の環境作りができます。
お薬による状態コントロール
状態管理の為に、場合によっては薬物療法を選択する場合もあります。糖尿病・高血圧共に、使用するお薬は症状によって選択します。検査により、状態を把握し、より適切なお薬を選択いたします。
定期検診のすすめ
健康の為には、まずは状態を知ることが大事!
生活習慣病の治療は、どこがどのように不調が出ているかを把握し適切な対処や治療・改善をすることです。
その為に、定期的な検査・検診によって知ることが大事です。
現在の健康な状態を維持する為に、また将来にわたって重篤な症状にならないように事前に改善をしていきましょう。
お気軽に当院まで、お問い合わせ・ご相談ください。
診療時間のご案内
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